皆さんの住む地域には「伝説」はありますか？

どの地域にも1つや2つは昔話や伝説が伝わっているものと思いますが、皆さんはその内容を 知っているでしょうか？

大阪府和泉市では、地元の伝説をもとに作られたオペラ曲を、中学生たちが演奏するという 試みが行われて話題になっています。 その伝説とは、和泉市の信太（しのだ）の森に伝わる「葛（くず）の葉伝説」

平安時代、安倍保名という若者に助けられた白狐が、「葛の葉」と名乗る若い娘に変身して 保名と結ばれ、男の子が生まれるが、狐であることがばれてしまい、森に去っていくという ストーリーで、人形浄瑠璃や歌舞伎の題材にもなっている有名な物語です。

この伝説で生まれた男の子が、陰陽師として有名な安倍晴明だったという逸話も残っているんだ とか。日本近代美術の父と言われた岡倉天心がこの伝説を「白狐」としてオペラ戯曲にし その後、さまざまな作曲家によって白狐のオペラが作曲されてきました。

今回このオペラを演奏するのは和泉市立信太中の吹奏楽部と合唱部を中心とするメンバーで 演奏するオペラは東京音楽学校（現・東京芸大）から学徒出陣し、戦地で自決した村野弘二さん （当時22歳）が残した未完のオペラ曲です。

和泉市で中学の吹奏楽部を指導している福祉施設職員、金正幸雄さんは 「地元にゆかりがあり、子どもたちが戦争について考える機会になる」と、演奏会を発案した そうです。

演奏は11月13日に和泉市の和泉シティプラザで開かれる 市PTA協議会主催の大会で披露される予定です。


 執筆：街コミNAVI編集部