北海道に生息する愛くるしい見た目のリス「エゾリス」の新たな生態が北大環境科学院の 大学院生達の研究によって分かりました。

なんと都市部に住むリスは郊外に住むリスよりも、睡眠不足だと分かったのです。

調査は昨年11月、帯広市内で帯広畜産大生を含む8名で行われました。 JR帯広駅から約2キロの都市部と、JR帯広駅から約15キロの郊外で2匹ずつエゾリスを捕まえ 光と温度を感知する首輪を付けて放ちました。

2週間後に回収した首輪のデータによると都市部と郊外のエゾリスには活動時間や、巣に戻る頻度に 大きな差があることが分かったのです。

帯広都市部のエゾリスは帯広郊外のエゾリスに比べ巣に戻る頻度が少なく、1日最大4時間も長く 活動しているというのです。それはいったいなぜでしょうか？

その理由について研究グループの内田さんは「都市部はキツネやタカなどの天敵が少なく 巣に戻る必要がないとも考えられる」と分析しています。

なるほど・・・都市部では天敵に襲われる心配が無く、外出がしやすいため郊外に住む エゾリスよりも睡眠不足の傾向にあるのですね。

指導する北大の小泉准教授は「サンプル数が少ないため、さらに検証する必要はあるが 都市部と自然下の生態の違いに着目した調査は道内で珍しい」と語っています。

更なる研究のため、今後はエゾリスの動きを3次元で解析できる「加速度計」を使い、より詳細な 行動内容を調べ、なぜ都市部のリスの活動時間が長くなるのかや、寿命などへの影響を調査して いくようです。


 執筆：街コミNAVI編集部