世界中で、年々認定される場所が増えていく世界遺産。もちろん世界遺産登録は素晴らしいことですが、大事なのは遺産認定された後。世界遺産の名に恥じない施設にしていかなければいけませんし、少しでも施設がダメージを受けてしまったりしては大問題。

1949年には奈良の法隆寺金堂の壁画が火災によって焼失するということなどもありました。そんなわけで、文化財登録は管理する人への責任も非常に重いものになります。

現在、1/26日が文化庁によって「文化財防火デー」として指定されていますが、兵庫県姫路市にある世界遺産・姫路城では、その文化財防火デーに合わせて消防訓練が行われました。 文化財防火デーは先述した法隆寺金堂の一件があった後に制定された日で、全国の文化財で、一斉に防火活動が行われます。

姫路城での訓練には、消防隊員や避難誘導にあたる警察官らおよそ90人が参加。

昇華には毎分3,000リットルの放水ができる、城内に埋め込まれた消火設備を使用しました。姫路城の天守閣３階付近から出火し、城の中に観光客数人が取り残されたという想定で行われた訓練では一斉に水が放たれ、天守閣がかすむほどの放水となりました。

また、観光客の避難誘導などの訓練も同時に行われましたが、やはり世界遺産ともなると、観光客の10%異常が外国人という現状もあり、自衛消防隊員は日本語・英語・中国語・韓国語の四か国語で避難誘導できる多言語メガホンを使っての誘導。

いつまでも変わらぬ姿を残さなければならない文化遺産と、時代に合わせて変わっていかなければいけない保守の現場。そう考えると面白いですね。姫路城にはこれからも変わらぬ輝きを放ってほしいものです。


 執筆：街コミNAVI編集部