人間は社会の中で生きるものであり、私たちは一人では生きていけないとよく言われますが、イベントなどにしても、何らかの商品にしても、世の中の様々なことには、関連するいろいろな人や仕事があります。

普段は目立ちませんが、なくてはならない存在の人たちもたくさんいるのです。相撲界にも、ある、いなくてはならない縁の下の力持ちがいます。それが、横綱が締める綱を作る人。

過去は絹で作られたなどともいわれるこの綱ですが、現在では麻が主な材料。その精麻を生産する農家が栃木県鹿沼市にあります。 鹿沼市で麻農家をしている大森さんは、7年前から大相撲の綱に携わるようになり、これまで白鵬関に19回製麻を納めてきました。

そして今年、念願の横綱昇進を果たした稀勢の里関に麻を奉納したのだそうです。昨年、一昨年と、稀勢の里関に奉納するべく麻を用意していたそうですが、横綱昇進がかなわなかったため、大森さんにとっても今年ついに念願の大関昇進となったようです。

実は鹿沼市は全国の麻生産の9割を占める一大麻産地。大森さんは日本麻振興会の理事長も務め、鹿沼を中心とする地域ブランド「野洲麻」を生産しています。

麻は大麻などがあることもあり、誰でも手軽に生産することができるものではありませんし、こうした生産者の人たちがしっかりと伝承して守ってくれているからこそ続いているのだなと感謝したくなります。

次回から相撲を見る際には、横綱の綱にも注目してはいかがでしょう？


 執筆：街コミNAVI編集部