地域の活性化への機運が高まる世の中で、特産品の新たな創出や、特産品の新製品開発などが全国で積極的に行われていますが、最近では高校や大学など、地域の学生がそうした新製品の開発に携わるケースも増えてきていますよね。

大阪府堺市では、地元の高校の定時制課程の生徒が作った線香が話題となっています。 なぜ線香なのかと疑問に思う人もいるかもしれませんが、実は線香は堺市の大事な地場産業。

線香の製法が中国から伝わった16世紀ごろ、堺が日本有数の貿易港だったことや、原料の高木が集まりやすかったこと、寺院が多かったことなどから盛んに作られるようになったのだとか。

そんな特製線香を作ったのは、堺工科高校の定時制課程の生徒たち。この定時制課程では以前から堺の地場産業である線香や刃物の製造実習を行っていて、被災地に線香を届けるなどの活動なども行って注目を集めていました。

堺市では、周辺2市とともに地域の古墳群を現在世界遺産にしようと活動が盛り上がっていて、堺工科高校でも何か機運をもりあげる取り組みはできないかと検討し、特製線香を開発したとのこと。

新しく開発された線香は、河内地域の特産品であるブドウの皮を練りこんだもので、ブドウの香りも漂ってくるのだとか。

この線香が開発されたのは3年前のことですが、今年は推薦が正式に決定したことなどもあり、現在人気が急上昇中なのだそうです。実際に登録があればもっと人気が出るかもしれませんし、また新しい特製線香が開発されることにもなるかもしれませんから、それも楽しみですね。

改めて世界遺産が地域の活性化にどれだけ寄与するのか思い知らされることになりそうです。


 執筆：街コミNAVI編集部