（2018年12月31日に書かれたコラムです）

2018年も暮れていこうとしていますね。全国各地で伝統行事や年末行事が行われています。

石川県の白山市鳥越地区では12月29日、100年以上受け継がれている伝統の餅つき「おいがち」が行われました。4人が四方から息を合わせて餅をつくという珍しい風習で、鳥越地区に集まった家族や親せきら約20名がタイミングよく杵を振るいました。 手返しを入れずに4人が次々に餅をつくのが特徴で、短時間で滑らかな餅が仕上がるそうです。

かつては地区内の多くの過程で行われていたそうですが、現在は数軒しか行われていないとのこと。一方で今でも行っているご家庭では「おいがちが終わらないと正月が来ない」と話しています。

願わくばこういった伝統行事は続けて欲しいものですが、なかなか現実問題厳しくはありますが、過疎化・少子化の昨今、どうしようもないものでしょうか。

さて同じく白山市内にある竹松町では30日、明治初期から続く年末の伝統行事「田んぼのお歳暮まわり」が行われました。

農家が薄く雪が積もる水田に豆穀を供えて今年の収穫に感謝し、霊峰白山に向かって来年の豊作を願いました。

竹松町は藩政期、白山の中でも土地がやせていたため、他の村に比べて米の収穫量が少なく、年貢米の徴収に手心を加えてもらう代わりに、役人にお歳暮として雑穀を送っていたそうです。明治の廃藩置県で年貢を納める必要がなくなると、役人の勧めで水田に豆穀を供えるようになったと言います。

こういった伝統行事を終えないと年を越した気がしないという方も多いはず。ぜひ継続して続けて行ってほしいものですね。


 執筆：街コミNAVI編集部