岩国の錦川に掛かる 全長およそ193メートル、幅およそ5メートル 5連のアーチからなる橋「錦帯橋」をご存知ですか？

世界でも珍しい5連のアーチ橋には 先人と歩んだ長い歴史があります。 岩国藩の第3代藩主だった吉川広嘉は たびたび洪水を起こす錦川に、堅牢な橋を架けることを決意。

1673年、悲願の錦帯橋が完成しました。

頑丈な組木の技法により、橋上からの圧力でさらに強度が増す仕組みは精巧で、 現代の橋梁工学からみても、非の打ちどころがないほど秀逸なものだそう。

翌年、洪水により流失するものの、橋台の敷石を強化して再建。 以来、老朽による補修や架け替えを行いつつ 276年もの間、人々の暮らしを支え続けました。

そんな長年不落を誇った岩国の錦帯橋も 1950年のキジア台風による錦川の大増水で惜しくも流失。

しかし、3年後には、岩国市民の熱意で再建されました。

2001年、老朽化による傷みが目立ってきたため、伝統職人の手により 昔ながらの木組み工法で架け替えを実施し 現在は、再び美しい姿を見せています。

そして、岩国市の錦帯橋世界文化遺産専門委員会は 3月に錦帯橋を中心として世界文化遺産登録を目指すことを確認しました。

一方、岩国市は文化庁が2015年度に創設する「日本遺産」の認定を目指すと 報告もされています。

認定されれば国内外でのPRイベントなどで 補助が受けられるということです。

岩国の錦帯橋、未来に残していきたい遺産ですね。


 執筆：街コミNAVI編集部